個人事業主の開業届って絶対必要なの?メリットとは?
2017/05/05
経営会計コンシェルジュ・税理士の山田由美です。
今年に入って、新規で顧問先になっていただいたお客様が
あります。
事業を始めて何年か経っていて、今までも確定申告を税理士に
依頼されているのに、白色申告されていました。
そこで、順調に売上も伸びていて利益が出ているので、
もったいないから今年から「青色申告」しましょう!と
お話したところ、開業届を出していないことに気付かれました。
このお客様については、税務署に確認して、開業届と青色申告届出を
同時にすることで、解決しました(*^^*)
ただ、このお客様だけではないんですよね。
開業届を出していないというお話は、他の方からも何人か
お聞きしました。
実情としては、本業なり副業なり事業を開始しているにも関わらず、
開業届を出していない人が非常に多くいるということなんですね。
開業届を出していなくても、確定申告をしていれば、特に罰則などは
ありません。
ですが、先述のように青色申告ができなかったりという、
デメリットがあるんです。
そこで、今回は開業届を出すことのメリット・デメリットについて
お知らせします。
開業届は出さなきゃダメなの?
まず「開業届」とはそもそも何かという点から説明します。
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
”個人が新しく事業を始める”場合に、税務署に提出すると
決められている届け出のことです。
用紙は最寄りの税務署で簡単にもらうことができ、
国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。
提出の期限は『事業開始から1ヶ月以内』と定められており、
納税地を所轄する税務署に提出します。
なお「納税地」とは、基本的に個人の住所地を意味しますが、
届出により事務所や店舗の所在地とすることができます。
出さなかったり、出し忘れたらどうなるか?
先述しましたように、特に、特別な罰則があるわけではありません。
ですが、開業届を出すと次のようなメリットがありますよ。
開業届を出すメリット
開業届を出すことによって得られるメリットの代表的なものを
挙げてみます。
1.節税効果の高い青色申告の申請ができる
〇所得から最大65万円を特別控除できる
いくつかの条件がありますが、
青色申告の最大の特典がこの65万円控除です。
〇「専従者給与」として家族に給料を払える
配偶者や子供などに事業を手伝わせて給料を払うことで、
給料分を経費に計上することができます。
〇赤字を3年に渡って繰り越すことができる
もし赤字になってしまったときは、
翌年から3年間繰り越すことができます。
翌年は利益が出た分から赤字分を差し引くことができます。
2.銀行口座が屋号で作れる
新たに事業を始める時には、
たいていの場合は屋号で事業用の銀行口座を開設することになります。
屋号で銀行口座を作った方がお客様からの信頼度が
増しますよ。
そして、銀行口座を作る時は、銀行に開業届も提出することが
必要です。
3.社会的信用も増す
法人と違い、個人事業には登記という制度がありません。
だからこそ、「開業届」は対外的に事業を開始した証となります。
融資や補助金・助成金の手続きはもちろんのこと、
取引先や顧客に対しても正規の手続きを行っていることの証明となります。
いかがでしたか?
まだ、開業届出してない!という方は、
節税のためのお得な特典を受けるためにも、
なるべく早めに出してくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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