確定申告経費処理~消耗品費と固定資産の違い
2017/05/05
経営会計コンシェルジュの山田由美です。
経費処理をしていて、例えば、パソコンや設備など高いものを買うと、
固定資産になるから、一括で経費で落とせない。
という、お話聞いたことありませんか?
消耗品費にできるものと、固定資産になるものとあるんだよとか。
今回は、消耗品費と固定資産について、解説します。
消耗品費とは
消耗品費とは、
10万円未満、もしくは法定耐用年数が1年未満のものを購入する際の費用
のことをいいます。
例を挙げるとキリがありませんが、
文房具、コピー用紙、インク、印鑑、電卓
電球、作業用の机・椅子、時計
などがあります。
10万円以上のものでも、
明らかに使用可能な期間が1年以内のものも含まれますよ。
消耗品費の大きな基準は10万円
取得価額が10万円未満のもの、もしくは耐用年数が1年未満のものは、
消耗品費として計上できます。
例えば、8万円のパソコンを買った場合、
パソコンというと「消耗品」という感じがしないかもしれせんが、
取得価額が10万円未満なので、消耗品費として計上することができます。
ただし、「取得価額」は1セットで判断するので、
同時に、パソコンのキーボードとマウスなどを買ってパソコンのセットが
10万円以上になった場合には、消耗品費ではなく、固定資産として処理
します。
※「取得価額」とは、
その資産の購入代金と、その資産を事業用に使用するために直接かかった
費用が含まれます。
また、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など
その資産の購入のためにかかった費用も含まれます。
10万円以上~20万円未満の減価償却資産を処理する場合の3つの選択肢
10万円以上のものは、固定資産として減価償却が必要になります。
ただし、取得価額によって、処理が異なります。
例えば、18万円のパソコンを買った場合には3つの処理の選択肢があります。
以下の、どの方法で処理しても構いません。
1.一括償却資産とする
2.少額減価償却資産の特例を適用する(青色申告者のみ)
3.減価償却資産とする
1. 一括償却資産とする
取得価額が10万円以上~20万円未満の減価償却資産は、
法定耐用年数などに関わらず3年間で均等償却が出来る「一括償却資産」
として処理できます。
この場合は、18万円のパソコンを買った日にちに関わらず、
1年目6万円、2年目6万円、3年目6万円と、3年間にわたって
6万円ずつ経費にできます。
2 少額減価償却資産の特例を適用する(青色申告者のみ)
青色申告者の場合は、30万円未満のものであれば、
一括でその事業年度の経費にすることも可能、という特例があります。
これを「少額減価償却資産の特例」といいます。
この場合は、購入した年度に一括で経費処理できます。
ただし、この特例は、平成30年3月31日までの間に取得したものに限られます。そして、この特例の合計限度額は300万円までなので注意しましょう。
3 減価償却資産とする
これは、通常の減価償却です。
法律で決められた「法定耐用年数」の期間に渡って、経費にします。
例えば、パソコンの法定耐用年数は4年なので、4年に渡って少しずつ経費
にします。
まとめ
取得別に処理方法をまとめると、次のようになります。
取得価額 | 選べる処理の方法 |
---|---|
10万円未満 | 消耗品費 |
10万円 ~ 20万円 | 一括償却資産 or 小額減価償却資産の特例 or 減価償却資産 |
20万円 ~ 30万円 | 小額減価償却資産の特例 (青色申告者のみ)or 減価償却資産 |
30万円以上 | 減価償却資産 |
いろいろあって、少し難しいかもしれませんね。
でも、納める税金にも関わってきますから、1年の売上や経費など、
全体を見て、どの方法を選択するか考えてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。